トップコラム2025年の「予言」【上昇気流】

2025年の「予言」【上昇気流】

トランプ大統領=4月22日(UPI)

トランプ米大統領が就任して3カ月が経過し、世界の風景は随分変わった。それで2025年の「予言」を思い起こした。

米国家情報会議(NIC)が08年に公表した「世界潮流2025 変革される世界」と題する報告書だ。どんな変革か。

一言すれば「第2次大戦後に構築された国際体制はほとんど見る影もなくなる」。実際、ロシアのプーチン大統領は武力で平和秩序を壊し、トランプ氏は自国第一で経済秩序を根底から揺るがしている。

その後の体制はどうか。中国が「世界2番目の経済規模と主要な軍事力を獲得」し、途上国は欧米モデル型(市場経済・民主主義)よりも国家資本主義的な中国型モデルに傾斜し、世界各地で民主化が後退する――。これも「予言」通りの感がする。

中世以降の覇権国はほぼ100年単位で移ろいだ。地中海貿易のベネチア(14世紀後半~15世紀末)、大航海時代のポルトガルとスペイン(15世紀末~17世紀初頭)、中継貿易のオランダ(17世紀初頭~18世紀初頭)、植民地貿易の英国とフランス(18世紀初頭~19世紀初頭)、産業革命による「世界の工場」英国(19世紀初頭~20世紀初頭)、その後の「グレート・アメリカ」である。

次なる国は――。米社会学者のエズラ・ボーゲルはかつて『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(1979年刊)を著した。そんな気概のある日本が存在した。それを失えば「変革される世界」に沈む。そう心掛けたい。

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