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期間限定ココナッツクッキー イスラエルから

イスラエルでは、ユダヤ暦ニサン月15日に当たる4月12日の日没から1週間、ユダヤ教のペサハ(過ぎ越し祭)を祝った。

旅行好きなユダヤ人たちがペサハの休暇を利用して外国に出掛けるため、祭りに入る前のベングリオン国際空港は大混雑だ。出発の4時間前から列に並んでセキュリティーチェックを受けなければならない。

ペサハ期間中は、小麦粉やパン種が少しでも含まれている食品は禁止されている。それらが含まれているものは全て店頭から消える。これは、古代ユダヤ民族が奴隷生活をしていたエジプトを脱出する際、パン種を入れずにパンを焼いたことに由来する。スーパーマーケットには祭りの数週間前から「マッツァ」と呼ばれるクラッカーのような種入れぬパンの箱が大量に積まれていた。

ユダヤ人の家では、祭りの1週間前から部屋の隅々まで徹底的に掃除をして、パン種が取り除かれる。まるで日本の大みそかのすす払いのようだが、部屋の床を水で流し洗っていたのには驚かされた。

祭りの始まりの夕食儀式「セデル」は、家族や親戚、友人が一堂に集い、祖先の歴史を振り返る重要な行事だ。長テーブルを囲み「ハガダ」という出エジプトにまつわる物語を読みながら、その順序に沿って食べ飲み歌う。敬虔(けいけん)なユダヤ教徒は、何時間もかけるという。儀式を短時間に済ませ食事をする世俗派もいる。

この祭りのおかげで毎日、期間限定のチョコレートがけココナッツクッキーを楽しませてもらった。(M)

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