
昨今、日本で問題になっている「オンラインカジノ」。芸能界やプロ野球界なども含めて推定300万人以上(2024年)の日本人が利用してきたことが分かっており、多額の借金を抱えた人が続出するなど社会問題化している。
一方、国民の15%がオンラインカジノを利用したことがあるとも言われるブラジルの現状は桁違いだ。19年からスポーツベッティング(賭博)が合法化されている点で、日本とは事情が違うが、それでも1カ月当たり300億レアル(約7800億円)がオンラインカジノに流入している。
昨年末のことになるが、ブラジル人の知人の夫人から「緊急にお金が必要になった、いくらでもよいので貸してもらえないか」と相談を受けた。落ち着きがなく様子がおかしいので、夫に電話で事の次第を説明すると驚いていた。
その後、「妻がオンラインカジノにはまり借金を作っていた」と報告を受けた。家族思いの女性でギャンブルにはまるようには見えなかった。子育てなど家の事情でストレスを抱えていたようで、心の隙間に射幸心が入り込んだのだろうか。
オンラインカジノは若者の間にも浸透しており、有名なスポーツ選手や芸能人を広告塔に利用することで親しみやすさをつくり、少額から始めたが次第に抜け出せなくなるケースが少なくないのだという。
カード破産や借金苦、破産に追い込まれているブラジル人も決して少なくない。ブラジル政府は、賭け金制限や広告規制などの対策を打ち出しているようだが、身近で起きたトラブルのこともあり、人ごとではないと感じている。(S)