トップコラム桜とレンギョウでヒーリング 韓国から

桜とレンギョウでヒーリング 韓国から

韓国の春を彩る花と言えば、何といっても桜とレンギョウだろう。3月になるとまず鮮やかな黄色いレンギョウの花が目に飛び込んでくる。その後、4月には淡いピンクの桜の花が咲き、行き交う人たちを魅了する。川辺に沿って一列に咲く桜の下でレンギョウも一緒に咲く光景などに出くわすと、まるで印象派の名画でも見ているような気分になる。今年は昨年末からの政治的混乱や各地の山火事被害などもあって、花を見て癒やされている人はさぞかし多いことだろう。

国内最大の桜祭りとして有名なのは、先日まで南東部で行われていた「鎮海軍港祭」だ。鎮海は日本統治期に軍港が造られ、たくさんの桜が植えられた。解放後、「悪しき日帝の名残」とみなされ、ほとんどが伐採されたが、1960年代以降に在日韓国人らによりソメイヨシノの苗木が寄贈されたり、済州島原産のソメイヨシノが植樹されていたことも韓国人植物学者により確認されたという。ちなみに同祭の趣旨には、16世紀末の文禄・慶長の役で朝鮮水軍を率い、豊臣秀吉率いる倭軍との戦いで活躍した李舜臣将軍の「護国精神」を受け継ぐ意味もあるという。

そんな日韓をまたぐ歴史を振り返りながら桜を見るのも悪くない。桜は日本の国花だが、それを見て日韓の不幸な過去を連想する韓国人はあまりいなくなった。韓国の子供たちは日本のアニメにはまり、メジャーリーグで漫画の世界から飛び出してきたような活躍をする「オオタニ」は多くの韓国人にも普通に好かれている。韓国の対日観は過去志向からの卒業が近い(?)。(U)

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