トップコラム万博が夢洲で始まる【上昇気流】

万博が夢洲で始まる【上昇気流】

大阪・関西万博の開幕式典に臨む日本国際博覧会協会の十倉雅和会長(前列右から2人目)、吉村洋文大阪府知事(同左から2人目)ら= 13 日午前、大阪市此花区

大阪・関西万博が大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で始まった。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で「未来社会の実験場」という位置付けだ。「いのち」と水は大いに関係がある。生命体は水の中から生まれ、血液の約90%は水。水のある所には生命が存在する可能性が高い。

大阪は、淀川を軸に長年のうちに内陸の土砂が河口に運ばれ形成された、低地の上に成った都市。市中に巡らされた水路を血管に見立てると、水都・大阪はいのちの街だ。

大阪湾に浮かぶ夢洲はその頭部で、会場のシンボルとなる「大屋根リング」内外に参加国や企業が出展するパビリオンが並び立つ。そんなイメージの中、未来社会に結び付く新技術が開花の機会を与えられるかどうか。

夢洲の近くまでは水上交通を使って観光しながら移動できる。また会場では、ハイテクを駆使し、水と空気の大切さを訴える大規模な水上ショーが毎日、日没後に2回ある。これも注目のイベントだ。

今日、情報通信の発達によって居ながらにしていろいろな娯楽を楽しめる。わざわざ出向くこともなかろうというのが、前評判がいまひとつの理由。しかし、人は嗜好(しこう)にかなう良いものを見つければせっせと足を運ぶものだ。

人の移動には交通機関が必要だし、移動があれば飲食や宿泊をはじめ各種サービス業の必要性も生まれる。経済の相乗効果である。今後半年、日本社会を大いに刺激してくれそうなイベントの成功を期したい。

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