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いまや日本中ほぼどこへ行ってもスマートフォンなどでインターネットに接続できるようになった。しかし、海の上となると必ずしもそうはいかない。これが人材確保に苦慮する海上保安庁の課題だった。
3月から海保の大型巡視船12隻に、人工衛星網による高速通信サービス「スターリンク」が導入された。電波妨害や故障などで業務用の衛星回線が利用できなくなった場合に備えたものだが、業務に使用しない際は職員が私用スマホなどをつなぎネット接続できるようになった。
地上ではスマホなしの生活は考えられないのが今の若い世代。洋上の長期のネット接続なしの生活は、離職や志望者減少の一因となっているという。海上ではプライベート空間が限られているため、海保は完全個室の導入も検討しているという。
今やそういう時代のようだ。当然、安全や機密保持の問題が出てくるが、スマホの位置情報をオフにする、SNSに業務情報を投稿しないなどのルールの徹底を改めて求めた。
古今東西、洋上勤務は大変で、潜水艦などはさらに厳しいものになる。かつて米海軍では原子力潜水艦の乗組員の結婚相手が見つからないという問題が起きた。給与の増額で何とか解決したという。
海保職員や海上自衛隊員らの結婚率がどれくらいか気になるところだ。最近はSNSがきっかけの男女の交際も多くなっている。スターリンクの導入が、職員の結婚や結婚後の生活も助けてくれればいい。