トップコラム少子化で教育はどう変わる

少子化で教育はどう変わる

横断歩道を渡る迫田総監と新1年生ら

満開の桜の下、全国で華やかな入学式が行われた。今年の小学1年生は約92万人。2024年の出生数は約72万人だから、6年後は小学1年生が今より20万人も減る。予想を超えた少子化の進行で学校や教育はいやが応でも変わらざるを得ない。

例えば、教師人材の不足に備えて、学校間の連携によるオンライン授業、AI(人工知能)の教育現場への活用が進むであろう。

またPTAの簡素化あるいは廃止。部活動の“外注化”なども進むはずだ。個々の能力や特性、ニーズに合わせた「個別最適化」の観点から、既存の学校モデルにはない新しい学校が生まれ、広く支持を得るだろう。

通信制の角川ドワンゴ学園は2016年に通信制のN高等学校、21年にS高等学校を開校。両校で約3万2千名の最大規模高校に急成長した。今春、群馬県桐生市にR高等学校が開校。生成AIを活用した1万人参加のAI入学式が執り行われた。

2045年ごろにはAIが人間の知能を超えると言われている。AIが教師の役割を担う。さらに、学校という場所に集まって学ぶ必要性がなくなる可能性すら出てきた。つまり、「学校モデルの溶解化」である。

現にアメリカのミネルバという大学はキャンパスを持たず、オンラインで学ぶ全寮制大学として世界エリートの注目を集めている。学生は4年間で世界7都市を移動しながら学ぶ。特定のキャンパスを持たないことでコストを抑え、ハーバードなど世界トップ大学が提供する質の高い教育を実現させた。

少子化の危機は教育が変わるチャンスでもある。学校は一人ひとりの可能性、能力を最大限に伸ばすために教育の質を上げることが求められる。今年度から高校無償化が始まる。日本の教育はどう変わるのか。「学校栄えて、教育滅ぶ」。亡国の嘆きが聞こえてくる。

(光)

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