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法曹過剰国会の弊害【韓国紙】

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

韓国の国会議事堂

ソウル、地方で弁護士として働いていた知人たちが国会議員、地方自治団体の長の選挙に出馬して落選したことがある。慰労の電話をかけると、大きく落胆する様子ではなかった。「選挙費用をたくさん使って打撃が大きくないか」と心配すると、「地域で知名度が非常に上がったので、事件の受任が増えて受任料も上がって損する商売ではない」と言った。弁護士としてお金を稼いで次の選挙にまた挑戦するのだとか。政治家をするのに最もいい職業が弁護士だという言葉を実感した理由だ。

法曹出身の国会議員が過剰だ。1993年の14代国会では8・4%(299人中25人)が法曹だったが、現22代国会では20・3%(300人中61人)にもなった。与党・国民の力は20人、野党・共に民主党(以下、民主党)は37人の法曹が当選したが、国民の力は検事が9人、民主党は弁護士が23人で一番多い。国会立法調査処の昨年の報告書によると、英国の下院は7・2%、フランス下院は4・8%、日本の衆議院は3%が法曹だ。わが国で法曹が人口の0・1%にもならないことを考慮すると、過大代表されているわけだ。

法曹出身が国政と政治の中心に立っていることは、極めて韓国的な現象だ。尹錫悦大統領、国民の力の権寧世非常対策(非対)委員長と権性東院内代表、民主党の李在明代表が代表的で、与党側の次期大統領候補群(呉世勲、韓東勲、洪準杓)にも相当数いる。法曹出身政治家の多数は、過去に埋没して想像力・創意力・共感能力が足らないという批判を受ける。政治的な解法には目を背け、ともすれば「法に則(のっと)って」と叫ぶからだ。政治コンサルタントのパク・ソンミン氏がソウル大法学部出身が政治で失敗する理由を分析したのが興味深い。「彼らは政治を(心でなく)頭でする。政治を独りでする。手助けした人に感謝することを知らない」

最近の相次ぐ弾劾による国政空白事態を法曹界出身の議員たちが主導したとの批判が強い。法曹出身が大きく増えたが、むしろ政治は退行し、政治の司法化だけがひどくなっている。国会立法調査処は「法曹界出身議員が国会の専門性を強化する役割を果たすよりも、両大政党の理念的な対立を深化させているという批判が提起されている」としている。“法の技術者”だけが増えたという非難が出ている。法曹の国会議員定員制でもつくらなければならないのか。

(3月17日)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

「セゲイルボ」

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