トップコラム入学式が映し出す少子高齢化 韓国から

入学式が映し出す少子高齢化 韓国から

韓国で3月は入学式の季節。日本統治期はそれに合わせて4月だったが、解放後は軍政を敷いた米国の方式で9月になり、最終的に3月に落ち着いた。3月にした理由は、当時まだ暖房の燃料費が重い負担で、一番寒い2月を冬休みにした影響だという。

その後、「春は始まりの季節」という意味も後付けされたようだ。日本と時期が近いが、3月生まれの子が日本から韓国へ行き、一学年下がって損した気分になったという話を聞いたこともある。

ところで、その入学式で近年異変が起きている。少子化で新入生が減り続け、今年はついに新入生がゼロで入学式ができなかった小学校が全国で184校に上ったという。南西部のある小学校の場合、かつて全校生徒が5000人を超えたというが、今年の新入生はわずか1人。教室で両親と校長先生、担任の先生に囲まれ、祖父母のビデオメッセージまで上映された入学式だったという。

その一方でシニア世代の入学式も話題だ。先日、一般高校としては全国で初めて設けられた「成人クラス」に平均年齢69歳の新入生18人が入学した。事情があって高校に進学できなかった人たちなどが、行政に頼んで実現したという。大学共通テストの受験者で最高齢だった84歳の女性が、名門女子大の入学式に臨んだこともニュースになった。

新入生ゼロの小学校と高齢者が入学する高校や大学には、世界最速で少子高齢化が進むこの国の現実も浮かび上がっていた。(U)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »