に手渡す麻生太郎副総裁(中央)。右端は茂木敏充幹事長=2024年4月26日午前、国会内.jpg)
安定的皇位継承と皇族数の確保策として政府の有識者会議が、旧宮家の男系男子が養子として皇籍に復帰することを2案の一つとして示したのは令和3年の12月。この案について、ようやく衆参両院の全体会議で協議が行われた。
自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党が「妥当」と評価したが、立憲民主党とれいわ新選組は引き続き検討が必要とし、共産党は反対を表明した。案の定と言うべきか。
立民は養子の対象者となる旧宮家の男子は一般国民であるため、憲法14条に規定する法の下の平等に反する恐れがある、などと指摘している。為(ため)にする法律論の印象を拭えない。衆院法制局によると、学説上は合憲、違憲両方の意見がある。
立民の野田佳彦代表は「まだまだ論点がてんこ盛りで、議論が必要だと感じた」という。何のかのと注文を付けて協議を遅らせ、最大野党の存在感を少しでも示したいという、さもしい意図が透けて見える。とても皇室の将来を真剣に考えているとは思えない。
秋篠宮家の長男で皇位継承順位第2位の悠仁殿下が、成年に当たって初めての記者会見に臨まれた。その立派な御会見を見て頼もしく思うと同時に、将来殿下が皇位に就かれた時、それをお支えする男性皇族がどれだけいるだろうかと考えざるを得なかった。
この問題は、もはや悠長に法律論議に時間を費やしている時ではない。差し迫った現実問題であることを、政治家は改めて肝に銘じてほしい。