トップコラム不審物にピリピリ イスラエルから

不審物にピリピリ イスラエルから

先日、イスラエル北部のハイファにいる友人に会うため、朝早くエルサレムの自宅を出た。エルサレム市内を走るライトレールは、朝の通勤や通学で満員だ。

鉄道とバスが利用できる1日乗車券は、前日にチケット販売店で購入していた。以前、駅にある自動券売機でチケットが購入できず、しかも入れたお札3枚が戻らなかったことがある。その後、鉄道会社に苦情の電話を2度したが、結局お金が返ってくることはなかった。

高速鉄道のエルサレム駅入り口は、セキュリティーチェックの行列ができていた。駅自動改札の横にある売店も混んでいた。列に並びコーヒーとクロワッサンを買い、地下80㍍のホームまでエレベーターで降りた。発車10分前にほぼ満員となっていた列車の車内で朝食を取った。乗り換えのテルアビブまでは1時間弱だ。

テルアビブセンター駅に着くと近くの席でずっと寝ていたアラブ人らしき青年が座席の前に黒いリュックを置いたまま降りようとしていた。荷物を忘れているよと叫び、ドア近くのユダヤ人男性も青年を呼び止めようとしたが立ち去ってしまった。よくよく考えると、その青年は降りる直前、車内を往来したり座席の下をのぞいたり動作が怪しかった。不審物があるとセキュリティーへ連絡してもらい、万が一のため列車の最後部に移動した。

ハイファ行きの列車に乗り換えるため次の駅で降り、駅員や兵士たちに「よく気が付いたね、ありがとう」と声を掛けてもらった。これがイスラエルの日常なのだと改めて思わされた。(M)

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