
沖縄では今月から県内各地のビーチで海開きが始まる。沖縄の海の透明度の高さや豊かなサンゴ礁などが織り成す美しい景観は、毎年多くの観光客を魅了している。一方で、美しい海の中には注意すべき危険生物も潜んでいる。
県によると、2023年の一年間に発生した海洋危険生物に刺されたり噛(か)まれたりする刺咬(しこう)症被害件数は66件と少なくない。トラブルを避け、安全な海水浴を楽しむためにも、これらの生物の危険性と対処法を知っておかなければならない。
23年の被害報告の中で最も多かったのは、ハブクラゲやカツオノエボシ、ウンバチイソギンチャクなどの刺胞動物だ。クラゲ類はかさが半透明のため水中では視認しづらく、刺されて初めて気付く場合が多いという。また有毒イソギンチャクも、周りのサンゴに溶け込んでいるため注意が必要だ。
このほか、神経毒を持ったアンボイナガイやウミヘビ、ヒョウモンダコなどにも遭遇する場合がある。これらの生物は基本的に攻撃を仕掛けてくる可能性は低いが、むやみに近づいたり触ったりしてはいけない。
これらの危険生物に対する対策としては「クラゲ侵入防止ネット」が設置されているビーチを選ぶことが効果的だとされる。目的地のビーチにネットが設置されているかを事前にインターネットなどで確認しておく必要がある。また、肌の露出の少ないラッシュガードやウェットスーツなどを着用することも有効な対策の一つだ。
それでも万が一、刺咬症被害に遭ってしまった場合は、自己判断で解決しようとせず、応急処置を済ませた後、迅速に医療機関を受診することをお勧めする。県のポータルサイトには、危険生物の一覧や応急処置の方法などがまとめられているので参考にしてもらいたい。
(K)