トップコラム米軍とジェンダーフリー【上昇気流】

米軍とジェンダーフリー【上昇気流】

米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長=2024年5月、ワシントン(AFP時事)

トランプ米大統領が米軍内の改革にも大ナタを振るっている。米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長の解任、さらには海軍制服組トップのフランケティ海軍作戦部長の更迭を発表した。ブラウン氏は史上2番目の黒人議長、フランケティ氏は女性初の作戦部長だ。

トランプ氏は就任直後の大統領令でバイデン前政権による人種や性の多様性に配慮するDEIを撤廃したが、その一環と言える。もともと軍内には海兵隊を中心に、本来の戦闘任務に集中できないなど抵抗があった。

DEIはすでにオバマ民主党政権当時から顕著で、当時のカーター国防長官が戦闘任務を含む米軍の全職種への女性の配属を認める決定を下している。人種、性別等の多様性が企業、社会組織どころか軍に及ぶ影響が懸念されていたのだ。

2023年、国防総省はDEIの訓練に1億1000万ドル以上を投じ、過去5年間でトランスジェンダーの軍人の性転換手術ほか治療に1500万ドル以上を費やしているという(バビン元米国防副次官=小紙ビューポイント)。

性別や人種で差別があってはならないのは当然であり、社会の各分野でこれまで埋もれていた優秀な人材が登用される動きは歓迎すべきだ。

しかし、それが行き過ぎると本来の適性、能力登用のあり方から「逆差別」にもなりかねない。トランプ氏の方針は女性や有色人種を排斥するものではなく、特に軍という使命における大原則を明確にしたものだろう。

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