トップコラム雷に打たれるかも イスラエルから

雷に打たれるかも イスラエルから

イスラエルでは、金曜日の日没から土曜日の日没までがユダヤ教の安息日とされ、エルサレムなどでは金曜の夕方近くになると、市場や商店はすべて閉まり、電車やバスなど公共交通機関もすべて止まる。ヘブライ語で「シャバット」といい、敬虔(けいけん)なユダヤ教徒はこの日、料理もせず、電気製品にも触らない。

つい数週間前の安息日の午前中、玄関のドアをノックする音が聞こえたので出てみると、近所のユダヤ人男性だった。その家族は全員が敬虔なユダヤ教徒で、なんでも暖房のスイッチに触れることができないので、代わりに電源を切ってほしいという。心良く協力し、「シャバット・シャローム(平和な安息日を)」と、あいさつを交わし家に戻った。

旧約聖書の時代、古代イスラエルの民は、奴隷生活をしていたエジプトを脱出した後、民を率いていた預言者モーセがシナイ山で神から十戒をはじめとする律法を授かった。ヘブライ語では「トーラー」と呼ばれている。旧約聖書の最初の五つの書「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」の総称で、ユダヤ教徒が守らなければならない信仰上の義務や生活上の規則が記されている。

ユダヤ教では、安息日には仕事はもちろんのこと、火や電気、車を使うなどあらゆる作業が禁じられている。そのため、食事の準備は安息日の始まる前に済ませ、24時間の保温状態にしている。

ユダヤ人の友人が言うには、安息日を守らないと、神の怒りを招き、雷に打たれるのだという。なんとも恐ろしい。日本人で良かったと思った。(M)

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