
さまざまな出来事が次々と起こる。その情報を整理し、どう解くか。資料や書籍は机の上に重ねたまま。いざ使おうとすると探すのに一苦労。そんなお恥ずかしい仕法で執筆している。
学生時代に『知的生産の技術』と題する本がベストセラーとなった。著者は『文明の生態史観』で知られた梅棹忠夫氏(当時、京大教授)で、フィールドワークで使ったカードを応用する情報整理術だった。どんなカードで、どう使うのか。本では分かりづらいので梅棹氏の研究室を訪ねた。
「読んでも分からんか。ほな、こっちに来て。このカードや」。それはB6サイズ横長で「テーマを見出しに書く。思い付いたことは何でもええ、書いていく。そしたら頭が整理されるで」。
文具店でカードを買って、ともかく書いた。カードがたまり、整理に往生したが、何かと役立った。今では大学ノートに時間軸で記している。気流子の情報整理の原点は梅棹式である。
氏の「生態史観」によれば、ユーラシア大陸は東西の端にある西欧と日本の「第一地域」と、真ん中に位置する大陸地域の「第二地域」とに分かたれる。文明が興った第二地域では熾烈(しれつ)な帝国の興亡が繰り広げられ、その間隙(かんげき)を縫って第一地域は技術や文化を蓄積し、近代文明の担い手に成長した――。
今日、大陸勢力が押し出してきた。梅棹氏ならこの情報をどう整理されるか。複雑怪奇だが、解を探さねばならない。資料に埋もれつつ、思考する日々である。







