トップコラム「歌・踊り・芝居」の歌役者【上昇気流】

「歌・踊り・芝居」の歌役者【上昇気流】

オペラ座(フランス・パリ)

歌役者という言葉がある。「歌・踊り・芝居」ができるオペラ歌手のことで、日本人が楽しめる音楽劇の普及を目指してきた演出家、故寺崎裕則さんが広めた言葉だ。寺崎さんは1977年に日本オペレッタ協会を創立した。

苦心したのは、西洋の音楽劇をどのようにしたら文化的背景の違う日本でも観客が共感して楽しむことができるのか、という課題。新歌舞伎など豊富な演出経験を基に、日本人の感性に訴える演出方法を生み出し、セリフにも演技にも表現された。

それから半世紀近く、同協会の演奏家や演出家らは経験を重ね、若かった歌手らも円熟し、今では日本で最も歴史あるオペレッタ団体として活動を続けている。

東京・北区の北とぴあで同協会の定期公演「ガラ・コンサート」が開催された。「ヴェニスの一夜」や「メリー・ウィドウ」などの演目から、ソロや二重唱を抜粋して演奏。宇佐美瑠璃さんや田代誠さんらベテランから、吉川歌穂さんや渡辺将大さんら若手まで、12人の歌手が登場。

川端槇二さんの楽しい司会で、歌芝居らしく、ドラマの背景と歌手たちのキャラクターを紹介してオペレッタを盛り上げた。宇佐美さんに至っては「何度も舞台から落っこちたが、何事もなく上がってきた」と伝説を語る。

歌も感動的だったが、後ろで支えていた伴奏ピアノの柳津昇子さんとヴァイオリンの澤野慶子さんの演奏も見事。立体的でオーケストラのような響きだった。

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