トップコラム医療制度の差を実感する ブラジルから

医療制度の差を実感する ブラジルから

先日、不注意からオートバイ運転中に事故に遭った。幸い、現場に居合わせた方がすぐに救急車を呼んでくださったのだが、救急処置を施す救急隊員の放った一言が、「救急対応の保険に入っていますか」だった。

ブラジルは、国民皆保険が導入されており、国民統一保健医療システム(SUS)と呼ばれる公的医療保険制度の下で誰もが無料で医療を受けられる。

民間保険もあり、非常に高額な保険料の代わりに近代的な医院・病院で迅速に治療を受けることが可能だ。

公的保険と民間保険の差は大きい。筆者は、入っていた保険が救急に対応しており、搬送された私立病院で迅速な検査と複雑骨折の手術を受けることができた。

ブラジルの新聞やテレビでは、公的医療機関で治療を受けようとしたが、放置されたまま亡くなった患者のニュースも。

一方、筆者や知人の経験では、公的医療機関で情熱と誠意ある医師に出会い助けられた経験もあり、誰もが医療制度の恩恵を受けることができるブラジルの医療制度は基本的に優れたものだと思っている。予防接種や血液検査、成人病検査なども無料で受けることが可能だ。

ただし、日本の国民健康保険制度は別格だ。ブラジルでも、民間保険もしくは高額な診察料が必要となる設備が整った医療機関を安価に利用できる。保険料負担は決して軽

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