
全国で「まちの本屋さん」の減少に歯止めがかからない。
そんな現状に危機感を抱き、読売新聞と講談社が「書店活性化に向けた共同提言」をまとめた。
提言はキャッシュレス決済手数料の負担軽減や図書館との連携、幼児期からの読書教育の充実など5項目からなっている。
日本出版インフラセンターによると、国内の書店数は2003年度に2万880店あったが、20年間で1万918店へとほぼ半減した。
活字離れやネット書店の台頭が背景にあるようだ。
自分の本との出合いを振り返っても、学校の図書館から借りた以外は、やはり町の本屋で買った本ということになる。
店頭で手に取って自分のお金で買った本、そして内容に感動したものは、いつ頃どこの店で買ったかも覚えている。
本屋は、知の宝庫であるとともに、思い出深い出合いの場でもある。
書店の減少は地方において顕著だ。
このままでは都市と地方の文化格差の拡大だけでなく、地方固有の文化の衰退につながりかねない。
地方出張に行って余った時間、ふらりと本屋に入ると、だいたい地方の出版社の出した地元関連本のコーナーがあり、そこを覗(のぞ)くのが楽しみだった。
地方の書店は、地方文化の拠点の役割も果たしているのだ。
(晋)