トップコラム産まない選択をする女性たち フィンランドから

産まない選択をする女性たち フィンランドから

子供を産まない女性が増え、出生率が急激に低下するフィンランドだが、かつては仕事と家庭を両立する模範的な国として見られていた。

手厚い育児休暇制度、質の高い育児支援、無償教育などがあるにもかかわらず、統計局によれば、出生率は1・3に低下した。

社会福祉制度が充実すれば出生率が上がるという理論はもはや通用しないのかもしれない。伝統的な核家族モデルが、多くの若者にとっての唯一の選択肢ではなくなり、特に、女性たちは高等教育やキャリアへの志向が強く、結婚し、母親になる時期が遅れる傾向がある。

フィンランド人口研究所のアンナ・ロトキルヒ氏によれば、「少なくとも1人の子供が欲しいと答えた22~40歳の成人のうち、子供を持たない主な理由は、適切なパートナーがいないこと」だという。ロトキルヒ氏は、「経済、キャリア、人間関係の安定が親となるための必須条件となっており、この条件が多くの若者にとって障害となっている」と指摘する。

さらに、子供を持たない運動も台頭してきており、2012年に創立された「子供を持たない協会」への支持は、着実に拡大しつつある。

政府は子育てをより魅力的にするために、有給育児休暇を夫婦で13カ月に延長し、保育支援も大幅に強化しているが、女性たちは関心がないようだ。社会の価値観が、家族より個人を優先する方向に大きく流れつつあるのかもしれない。(Y)

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