
桜のようなアーモンドの花が咲き始め、イスラエルに春がやって来た。うちの近所の日当たりの良い庭にある大きなアーモンドの木は満開だ。
ユダヤ人たちは、ユダヤ暦シュバット月の15日目に当たる2月13日に植樹祭「トゥビシュバット」を迎える。各地では植樹行事が行われ、いつも以上にドライフルーツやナッツを食べて祝うのだ。
イスラエルはドライフルーツの種類が豊富で、とてもおいしい。日本では、せいぜい干し柿や干し芋を食べるくらいだが、ここではデーツ(ナツメヤシ)やアンズ、イチジクが定番で、他にも各種カラフルなキウイ、パパイア、パイナップルなどもある。
先日、エルサレムでユダヤ人の友人と久しぶりに会うことができた。その友人はエルサレム音楽アカデミーを卒業して、現在は南部ベールシェバに住みピアノの先生をしている。ピアノの生徒さんの発表会があり、エルサレムに来ていたのだ。
音楽アカデミーはエルサレム市内ギバットラムのヘブライ大学理工系キャンパス内にある。大学の敷地内には有名なイスラエル国立エルサレム植物園もあり、日本の仏教詩人、坂村真民さんの詩「念ずれば花ひらく」と刻まれた大きな石碑と共に桜の木が植えられている。
友人は、ついさっき撮ったという、その河津桜のような濃いピンク色の満開の桜の木の写真を見せながら、「昔はもっと大きな木だったのに、小ぶりになってしまった」と残念そうにつぶやいた。そして、10年前に撮ったという大きく枝を広げた桜の木の写真も見せてくれた。(M)