トップコラムテレビ界の「性モラル」【上昇気流】

テレビ界の「性モラル」【上昇気流】

中居正広さん

テレビ界の「性モラル」はどうなっているのか。元タレント中居正広さんの女性トラブルを巡るフジテレビの「騒動」から、そんな疑問を抱く。昔から性モラルを貶(おとし)めてきたとの声も聞く。

今回、週刊文春が物議を醸しているが、同誌はかつて「テレビは病んでいる」との特集を組んだ。それにはこうあった。「『失楽園』『義務と演技』『未成年』…性愛シーンが中学生を汚染する」(1998年3月5日号)。

夜10時台の民放各局の番組には露骨なシーンが続々と登場。「深夜ともなるとそこは無法地帯」と化した。フジテレビ系の「A女E女」は自ら最低の番組と開き直り、「真面目に取り合うのもバカバカしい」酷(ひど)さ加減だとし、「小誌の中学生三百十一人アンケート」を紹介している。

それによれば、深夜枠のその種の番組を1割近い数の生徒が見ていた。テレビは1人1台の時代で深夜といえども、確実に子供たちの世界に入り込んでいる。「大人の性の乱痴気騒ぎを見て、子供たちが悪影響を受けないと誰が言えよう」。

それから30年近く経(た)ち、さて、今はどうだろう。露骨な番組は影を潜めても、その「舞台裏」で醜態を繰り広げているのだろうか。

テレビ局は紙媒体と違って公共の周波数を優先的に割り当てられ、放送免許が与えられている。放送法には「公安及び善良な風俗を害しないこと」とある。性モラルを崩壊させるなら、病んでいるどころか、「テレビは死んだ」と言うべきか。

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