
ガザ地区の停戦が先週、開始され、テロ組織ハマスによって1年以上拘束されていたイスラエル人の人質が、徐々に解放されている。
最初に解放された人質のうちの一人エミリー・ダマリさん(28)の母親が、娘が帰還した翌日、2人で一緒に写っている写真をSNSに投稿した。左手には包帯がぐるぐると巻かれている。テロリストの銃撃で中指と薬指を失ったのだ。
英国系イスラエル人のエミリーさんは、ハマスによる大規模なイスラエル襲撃があった23年10月7日、キブツ・クファル・アザの自宅で撃たれ、手の指を失い、腕に抱いていた愛犬を亡くし、そして拉致された。足にもケガを負ったという。
彼女は1年以上にわたり、ガザ地区の暗い地下トンネルで監禁され、食べ物もろくになく、拷問や恐怖など想像を絶する状況に耐えた。必要な薬を時々受け取ることができたが、負傷の治療は麻酔なしで行われたという。報道によると、女性たちは1人で監禁されていたわけではなく、民家などさまざまな場所に移動させられた者もいた。
エミリーさんは解放後、インスタグラムへの投稿で、「神様に感謝します。家族や友達の溢れ出る愛と支援に興奮で胸がいっぱいです。ありがとう、ありがとう、ありがとう。私はただ生きているだけで世界で一番幸せです」とメッセージを書き、最後に、失った2本の指を象徴する「ロックオン」の絵文字を添えた。
イスラエルでは、このジェスチャーが新たな勝利のサインとなっている。(M)