トップコラム安心して乗っていた矢先に 韓国から

安心して乗っていた矢先に 韓国から

筆者はここ30年余り、仕事でもプライベートでも韓国に離着陸する飛行機に乗る機会が多かった。まだ仁川空港ができる前に利用していた金浦空港は、ターミナルの建物内にニンニクのにおいがプ~ンと漂っていたのを覚えている。韓国の航空会社の飛行機は着陸がいささかワイルドで、一度は「ホップ、ステップ」するようなこともあった。友人の韓国人に聞くと、「あそこの航空会社のパイロットは空軍出身が多いからね~」と言われた。

その後、仁川空港が開港。世界の空港を比較した調査会社の各種ランキングで常にトップクラス入りするようになり、パイロットの操縦も随分ソフトになったと思う。ところが昨年末、思わぬ大惨事が起きた。南西部の務安国際空港で格安航空会社(LCC)の飛行機が胴体着陸後に滑走路の先にあったコンクリート壁に激突して大破・炎上、乗客・乗員の多くが亡くなった。韓国発着機の利用が多い筆者には、とても他人(ひと)事とは思えなかった。

事故の原因として挙げられているのは、バードストライク(鳥との衝突)による電気系統の故障と違法建造物に該当する硬いコンクリート壁だ。どちらも対策不備だった可能性が高く、その意味で「人災」と指摘されている。そもそも鳥の群れが多い場所になぜ国際空港が誘致されたのか、誘致当時に特定の政治家が「地元への利益還元」に執着した結果できたという無理筋にも問題があったなど、いろいろ批判が噴出している。(U)

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