トップコラム拉致事件が観光に冷や水 タイから

拉致事件が観光に冷や水 タイから

昨年のタイの外国人観光客数は、前年比26%増の3555万人だった。トップは中国人で前年比ほぼ倍増の673万人。2位は隣国のマレーシア人で495万人、日本人は10位で105万人だった。

タイの外国人観光客数はコロナ禍前の2019年には3992万人を数え、中国人が1114万人と断トツだった。その往年の観光ブームからすると、最大顧客の中国人の戻りはまだまだといったところだ。コロナ禍の悪影響は脱したものの、不動産不況に象徴される中国の経済低迷が中国人の旅行熱を冷ましている事情もあろう。

それでも中国人のタイ観光熱は、徐々に高まっており、期待できそうだったものの、今年に入って判明した中国人俳優の監禁事件で冷や水を浴びせられた。

同事件は、中国人俳優のシンシンさんがタイ北部ターク県で行方不明となり、ミャンマー国境の町のミャワディで特殊詐欺を強いられそうになったという事件だ。シンシンさんは無事、保護され中国への帰国を果たしたものの、改めて中国人の拉致リスクが浮上し懸念が広がった。

その影響は中国からのチャーター便キャンセル続出でもうかがえる。春節(1月29日の旧正月)に伴う長期連休で、中国から多くの旅行者がタイを訪問する予定だったが、インドネシア系格安航空タイ・ライオン・エアの中国路線チャーター便約40便がキャンセルになった。

また香港スターのイーソン・チャンさんは、2月22日に予定していたタイ公演を中止した。「タイを訪れる中国人ファンの安全考慮」を理由としている。(T)

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