トップコラムデザートはお汁粉 イスラエルから

デザートはお汁粉 イスラエルから

日本や世界で新年を祝った元日、イスラエルのユダヤ人は通常通りに仕事をしていた。ユダヤ人の子供たちは、ユダヤ教の祭り「ハヌカ」の期間中で学校は休みだった。

年末、「正月には、お汁粉を食べよう」と思い、あずきを求め市場へ行った。以前あった多くの穀物屋は次々とカフェバーに変わり、唯一健康食品店にあずきが置いてあった。そこでもち米粉も買った。

イスラエルは今も戦時下にある。年末年始は、連日のようにイエメンから弾道ミサイルが飛来し、エルサレムでも夜中に空襲警報のサイレンが鳴った。ベッドから飛び起き、シェルターに避難した。イランから昨年、多くのミサイルが発射された時、エルサレムの上空で防空システムが迎撃している爆発音がシェルターの中まで響いていた。音だけ聞いていれば日本の花火大会のようだ。

ユダヤ人の友人の息子が最近、ガザ地区やレバノン南部での予備役の任務を終えて帰ってきた。彼から戦地での話を聞かせてもらった。レバノン南部で戦闘部隊だった彼は、自軍の戦車の砲撃が轟(とどろ)く中、真夜中に戦場で休んでいた。その時、ヒズボラのミサイル攻撃を受けた。爆発後、気が付いた彼は、自分は死んだものと思っていたという。部隊の兵士全員の生存を確認した彼は、「さあ、これからモーニングコーヒーだ」と声を掛け、コーヒーを入れたんだと笑って語ってくれた。

無事に戻ってきた彼の労をねぎらうつもりで、彼の家族も招待し日本食を振る舞った。デザートはもちろん、お汁粉で。(M)

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