
大阪・関西万博が4月13日から大阪市の人工島「夢洲」で開かれる。前売り入場券の売り上げが低迷する中、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は「誘致段階から関わってきた者として必ず成功させる」と新年の決意を述べた。
日本で行われた前回の国際博覧会は2005年の愛知万博。この時も前評判は「いまさら人が1カ所に集まってお祭り騒ぎでもなかろう」と良くなかったが、地元が動いた。
例えば、県内86市町村(当時)がホームタウンとして参加国をもてなす「1市町村1国フレンドシップ事業」。住民らが参加国の来客を招き草の根交流に趣向を凝らした。
愛知県はハイテク産業が盛んで大企業から中小企業、工場も多く、そこで働く海外からの人材も少なくない。彼らがその活動の担い手にもなった。地元企業間の協力関係、絆は強く、愛知万博の成功をもたらした。今回、関西経済界の底力を見たい。
大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。日本館だけでなく参加国のパビリオンの多くは外観も凝り、その国・地域が育んできた命や文化を包み込む建物というアイデアを体現させている。
会場を囲む大屋根リングは世界最大級の木造建築物。日本の神社仏閣の建築に使用されてきた伝統的な貫(ぬき)接合という工法も使っている。博覧会が東西の文化を引き合わせる場、また新しい文明の兆しの発信の場となり、堪能してもらえば成功だろう。