フィンランドは福祉国家と言われ、世界で最も幸せな国と言われるが、医療サービスは、日本の方がはるかに便利だ。先日の土曜日、腰を痛め、医者に診てもらおうと救急センターに行った。週末と夜は一般診療のクリニックは開いておらず、複数の市を合わせた広域地域で唯一の救急センターに行くしかない。
受付の表示板を見ると、午前11時の時点で待ち時間は4時間30分だ。それも平均的な待ち時間であり、20年前に骨折で訪れた時は7時間待たされた。患者にとって医療費は低く、年間上限も決められており、医療負担が低いのは素晴らしい。だが、簡単には医者に診てもらえない。
急診以外はすべて予約しないといけないし、その予約電話を入れても最初の対応は看護師によるチェックで、看護師がその病気の状況を判断して予約の日が決まる。運が良ければ1週間後の予約が取れるが、経験上医者にすぐに診てもらいたいと思ったとしても、看護師が薬で十分だと判断したら診察の予定日は決まらない。薬を飲んで様子を見ましょうということになる。
どうしても早く医者に診てもらいたければ、高い診察費や治療費を払って、民間の医療施設に行くしかない。年々治療や手術を受けるための待ち期間が長くなりつつあり、医療改革が叫ばれてはいる。しかし、年々膨れ上がる医療予算を抑えるためには、国民に喜んでもらえる医療はもはや難しいのかもしれない。(Y)