先日、韓国の友人から駐日韓国大使はなぜ公の場で「韓日関係」と言わず、「日韓関係」と言うのかと聞かれた。韓国人なら、いや韓国を代表して日本に駐在している政府高官ならなおさら韓国を先に、日本を後に呼称する「韓日」と言うべきなのに、なぜ逆に「日韓」とわざわざ言うのか解せないというのだ。この件はすぐに韓国で物議を醸したが、確かに韓国人が聞けば気分を害すると思った。「日本が大好き」では済まされない問題だろう。
ただ、反日教育や歴史認識を巡る反日報道が何十年も繰り返されてきた韓国でも、公然と日本に好感を抱く人は増えてきた。ソウルを走る地下鉄の車内放送では、駅名などを外国語で案内しているが、筆者が最初に赴任した20年前は「英語→中国語→日本語」の順に流れ、複雑な気持ちになったものだが、つい先日の車内放送では「英語→日本語→中国語」の順に変わっていたのに驚いた。これもひょっとして対日好感度アップの表れだろうか。
両国にとって今年は国交正常化60周年の大きな節目。昨年の後半からいろいろ準備が始まっていたという話を聞いたが、韓国側の政治情勢が大きく揺らぎ、それどころではないという声も漏れてくる。実は今年筆者は年男、しかも正常化された年に生まれたので、自分の人生と同じ時を正常化後の両国は刻んできたことになる。韓国では、今年の干支の巳には「沈着、安定感」などの意味があるそうだ。堅調な関係維持を願わずにはいられない。(U)