2025年、乙巳(きのとみ)年が明けた。昨年は元日に能登半島地震、2日に羽田空港で航空機事故が起こるなど、新年早々災難が続いたが、今年は比較的穏やかな年始となった。
さて正月といえば、童謡「お正月」(作詞・東くめ、作曲・瀧廉太郎)の中で1番に「凧(たこ)揚げ」や「こま回し」といった男の子向けの正月遊び、2番の歌詞では、「まりつき」や「羽根つき(おいばね)」といった女の子向けの正月遊びが歌われている。だが、今の子供たちはめったにしないようだ。昨年末、末の息子が「コンピューターもゲーム機も、インターネットもないのに、子供の頃、何で遊んだの」と聞いてきた。確かに、ビデオゲームに熱中して育った彼らの世代、さらに輪を掛けたような今の子供たちにはイメージが湧かないのも当然だろう。
記憶をたどると、子供の頃はいろいろな遊びがあった。筆者の故郷では凧揚げは冬に、こま回しは正月に限らず、こまを手のひらの上で回して(回っている間だけ動くことができる)鬼ごっこやリレーをよくした。丸や四角(長方形)の紙めんこ(ベッタと呼んだ)でもよく遊んだ。地方や地域によって違いはあるものの、相手のめんこを裏返すのが基本だが、台上に丸めんこを出し合い、四角めんこで横側をたたいたり、直接当てたりして丸めんこを落とし、2枚重ねたら丸めんこを総取りするのが主流だった。
ビー玉で相手のビー玉をはじき出したり、指定された場所(一塁、二塁と言った)を回って早くホームに戻ることを競うもの。
トランプや花札、ボードゲーム、相撲、軟らかいゴムボールを使った野球、サッカー、川遊び(泳ぎ)、チャンバラごっこや鬼ごっこ、だるまさんが転んだなど。また、釣りや魚取り、野鳥や昆虫取り、野イチゴ集め…。いくらでも出てくる。
逆に、人と交わり自然に触れる“子供の遊び”を知らずに室内でビデオゲームに熱中する今の子供たちの方が心配だ。
(武)