
家に来る年賀状が少なくなっている。高齢になると、会社などの人間関係も希薄になっていくから、少なくなるのはそれほど不思議ではない。とはいえ、元日に届く年賀状は毎年の楽しみではある。
テレビのニュースによれば、昨年の郵便料金値上げの影響もあって、今年の元日に配達された年賀状の数は昨年を34%も下回り、約5億枚という。少なくなったのは、メールやSNSで新年のあいさつを済ませるようになったことも一因だ。
しばらく前であれば、メールでは失礼なのではないかという気持ちになったが、今ではそれが普通になっている。抵抗感が無くなってきたようだ。だからこそ、郵便で送られてくる年賀状には特別な思いがこもっている気がする。
それでも印刷したものが多い。そこに「元気ですか」という手書きの一言でもあったら印象に残る。目立ったのは、年賀状を今年で終えるという添え書き。そういえば、最近は墓じまいなど、伝統的なものが無くなっていく傾向にある。そこには個人主義的な社会の影響もあるだろう。
年に一度の年賀状を出すことも、さまざまな要因で難しくなったのは寂しいことだが、それも仕方がないのかもしれない。
年賀状で思い出すのは、中国の唐時代の詩人・劉(りゅう)希夷(きい)の詩の一節。「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」。毎年花は同じように咲くが、それを見る人は変わっていくという感慨を詠んだもの。年賀状もそれと似ている気がする。






