
クリスマスには大量のプレゼントが交わされる。子供であれば少なくとも7個程度の贈り物を受け取り、それも1個の値段は高額化している。その代表格はタブレット型PCやゲーム端末、バーチャルリアリティー(VR)ヘッドセットで、子供から大人まで需要があるが、1万円以下では大した物は買えない。
悩んだ挙げ句に購入した贈り物を贈っても、最近では受け取った側が転売に出す例が増えて議論になっている。まずは利用しない贈り物が家の中に占めるスペースが問題となり、転売する例だ。
パリ国立高等鉱業学校の経済専門のフランスワ・レベック教授は「再販(転売)は、これらの物が戸棚の中で放置されるのを防ぐための良いリサイクルだ」と述べ、贈り物の値段の2割引きから3割引きの現金を得ることができることを指摘している。
しかし、道義的に贈り物を贈った相手の気持ちはどうなるのか。つまり、再販には人の心を傷つけるリスクもある。
そもそもカトリックの伝統的価値観からすれば、お金の授受はクリスマスの伝統に反する。そこで別の方法としては、恵まれない子供たちに、もらった贈り物を寄付する方法もある。これなら贈り物を贈った方も少しは納得感もある。
日本でいえば結婚式の引き出物をリサイクルショップに持ち込む人は多い。今ではネットオークションで売る人も増えた。フランスではその代表選手がクリスマスの贈り物だ。たくさんの愛情の詰まった贈り物のその後の扱いは大きく変化している。(A)