トップコラム地震の年ともお別れ【上昇気流】

地震の年ともお別れ【上昇気流】

能登半島地震で倒壊したビル=1月3日、石川県輪島市

きょうは大晦日(みそか)。高浜虚子の「去年今年貫く棒の如きもの」の句もあるが、来年に引きずりたくないものもある。地震被害のあった能登の人たちは特にそうだろう。

今年の元日の昼過ぎ、気流子は石川県の七尾市に住む旧友から年賀のメールを受け取った。それに「今年は辰(たつ)年、能登半島は龍の頭の形をしているから、いいことあるかも」などと返信した。地震が起きたのはそれから2時間も経(た)たない時だった。

テレビでは七尾港の様子が映し出されていた。能登島が防波堤になりそれほど大きな津波は来なかった。深夜に連絡が取れた友人は、家族で高台の体育館に避難しているという。

幸い家は無事で、2日後に戻るが、余震が続き十分睡眠を取れない日が続いた。断水は解消せず、ガソリンも不足し、京都から帰省していた娘さん一家も数日足止めされた。こちらからは励ましのメールを送るしかなかった。

被害は奥能登の輪島市と珠洲市が特にひどかった。その輪島を9月には豪雨が襲った。ようやく復旧した道路がまた土砂に埋まり、仮設住宅まで土砂が押し寄せた。「何で能登ばかりいじめられるんか」と嘆きの声が出るのも無理はない。

そんな2024年ともきょうでお別れ。良き新年への願いは洋の東西を問わない。英語の「ハッピーニューイヤー」は「明けましておめでとう」ではなく「よいお年を」という意味で年末から使われるフレーズだ。ということで、皆さんハッピーニューイヤー!

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »