
今年もあとわずか。来る年の計画や見通しに思いを馳せたいところだが、来年のことを言えば鬼が笑うという。明日のことも分からないのに、来年のことなど予想もつかない。とはいえ、それなりの希望と期待を抱いていくのを(鬼から)笑われる筋合いはない。
今年は正月初日に能登半島地震が起き、日本中がその厳しい一年の到来を共に体感した。2年目を迎え、能登地域の復興が全国の支援と連帯で大きく前進することが望まれる。
世界に目を転ずると、ウクライナ戦争はもとより中東でのイスラエルとハマスとの紛争は出口が見えない。東・南シナ海では依然として中国の恫喝的な海洋覇権の動きが活発だ。
世界平和を何とか実現したいという「夢」は誰しもだが、国家間、民族間などのさまざまな対立要因で武力衝突に至ってしまい、さらに深刻化する。そこは当然国家の最高責任者、為政者の決断が大きい。
しかし「政治」の決断だけがクローズアップされがちだが、やはりアドバイザー的存在、さらには「世論」なるものが大いに介在する。独裁体制国家でも多かれ少なかれある。世論を意識するがゆえに、察知してそれを規制・弾圧するか、あるいは外部に目をそらさせるかの違いだ。
一方、民主国家では世論におもねる意味で「政府オポチュニズム」に陥りやすい。岸田文雄前首相の旧統一教会への対応はまさに日和見主義的なそれであった。為政者の定見、見識が問われるゆえんである。