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同級会は癒やしコミュニティー

同窓会のテーブル(イメージ)
同窓会のテーブル(イメージ)

年末になると、忘年会やクリスマス会が続く。すでに二つ終え、あと二つ残っている。仕事の関係者との集まりが多いが、小中学校時代の同級生たちとの忘年会は格別楽しく、心が癒やされる。

東北地方の田舎から出てきて半世紀。地方出身者の場合、幾つになっても、東京の水は合わない人が多いのではないか。昼食を一緒に囲もうということで、中華料理店に集まった同級生たち(男女6人)はお互い顔を見た瞬間、時計の針は青春時代に戻り、まるで故郷に帰ったかのように方言で話しだした。まず話題は他の同級生たちの消息だ。

いつもは8人集まるが、今回は2人欠席した。一人(女性)は孫の世話で家を空けることができない。もう一人(男性)は、飲酒・喫煙がたたったのか、咽頭がんを患い、治療中で体調が優れないという。

孫の世話は、幸せな家族の一こまだ。でも、独身者にはちょっと寂しい話題。また、60代も後半になると、病気は他人事(ひとごと)ではない。「次に欠席するのは俺かもな」と、顔を見合って苦笑い。でも、どの顔も暗くならない。故郷と年齢が同じという共通点があるだけで、心が通い合い明日への糧を得る方が大きいのだ。

食事会の後、喫茶店で2次会。話は年末年始に帰省するのかなど、とりとめのない話題で盛り上がり、あっという間に夕方になった。ミニ同級会はそこで解散となったが、みんな名残惜しげに別れるのはいつものパターンだ。

コンプライアンス、ハラスメント、エビデンス、合理性など若かりし頃はあまり耳にすることがなかった言葉が頻繁に使われる時代である。不法行為はもちろんのこと、人の心を傷つけることは論外だが、どこか窮屈に感じる。心の通じ合う小さなコミュニティーは、年輪を重ねるほど貴重に思えてくる。(森)

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