
石破茂首相のマナーの悪さが際立っている。
10月1日の組閣時の記念撮影から、それが露呈した。その時の写真を見てみると、正礼装の着こなし、ズボンの履き方がだらしない。それもそのはずだ。ズボンにベルトを通してしまったため、でっぱった腹の下にベルトが来てズボンがだぶつき、腹部からはワイシャツがチラ見えしてしまっている。
モーニングはサスペンダーでズボンを吊り下げ、シワがこないようにピシッと着用するのが常識。国民に何やら不安を抱かせるスタートとなった。
その日の首相就任会見ではイメージチェンジを狙ってかメガネを着用していた。だが、そのメガネにはブランドのロゴシールが付いたままだった。メガネに貼られたシールは「H−fusion」という福井県鯖江市発のミドルからハイエンド価格帯のブランド。首相としては「Ray-ban」サングラスのように、あえてロゴを見せることで高級感をアピールしたかった可能性も考えられる。だが、メガネ業界の人によると通常、ロゴシールを貼ったまま使用はしないという。ちなみに、首相が着用したことで、同ブランドの宣伝効果は今のところ出ていないようだ。
首相の食事マナーの悪さもクローズアップされている。おにぎりを公衆の面前でまるごと口に詰め込み、頬張る醜悪な映像に目が点になった国民も多かったことだろう。SNSでは「カバの方が食べ方が綺麗」と揶揄された。
一連の失態は、首相になる前からその兆候は出ていた。あろうことか、首班指名選挙の時に居眠りしていた。学校の授業でさえ、居眠りしていたら教師に怒られる。前代未聞、空前絶後の失態が現実に起こってしまった。
南米ペルーで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)では、座ったまま各国首脳に挨拶した。会議では他国の首脳が発言している時、腕組みをしていた。
極めつけは会議の集合写真。撮影に遅刻したため、石破首相は写っていない。写真は会議参加の重要な証拠となる。後世、この会議には日本の首相は参加しなかったことになるだろう。
こう見てくると、これほどの短期間にここまで失態をおかした首相も珍しい。日本の恥を国内にとどまらず世界にまでさらした。石破氏を見ていると裸の王様の寓話を思い出す。側近で助言する人はいないのだろうか。夫人は行儀の悪さには口を出してこなかったのだろうか。
列挙した石破首相のマナー・行儀の悪さが、何らかの病気が原因であるのならば、早めに治療することが望ましい。居眠りの件では、青木一彦官房副長官は「健康問題に何ら問題がないと承知している」と言ってはいるものの、やはり気がかりだ。
(長野康彦)