年末商戦初日となるブラックフライデーは、先月29日だったが、今年は特にオンラインショッピングが大きな役割を果たした。その売り上げは、米国内では108億㌦に達し、前年より10・2%増。このうち、57・6%がスマートフォンなどモバイルデバイスからの購入であったという。
新型コロナウイルスのパンデミック前は、店頭でのショッピングが中心で、多くの人々が深夜から並び、開店と同時に店内に駆け込む光景が一般的だった。しかし、パンデミックからのオンラインショッピングの普及でブラックフライデーの形態も大きく変わった。
多くの小売業者がオンラインセールを前倒しで開始し、長期間にわたるセールを展開するようになった。筆者もここ数年、ブラックフライデーでの買い物はオンラインで行っている。いつでも簡単に注文でき、サイズが合わなかったり、想像と異なれば簡単に返品できるからだ。
その一方、実店舗の客入りが大幅に減ったかというと、そうでもない。当日のテレビニュースでは、多くのショッピングモールで、早朝の開店前から長い列ができ、人気商品を求める買い物客でにぎわう様子を伝えていた。
筆者も実際に近くのショッピングモールに行ってみると、モールの数百㍍手前から渋滞になっていた。
ブラックフライデーのような大規模なセールは、特別な雰囲気を感じさせるものであり、買い物自体が一つのイベントとなっていることを改めて実感した。(Y)