トップコラムみっともない共同誤報【上昇気流】

みっともない共同誤報【上昇気流】

靖国神社

「何だ、こりゃー」と呆(あき)れてしまった。共同通信の誤報の件である。生稲晃子外務政務官が一昨年8月に靖国神社を参拝したと報じたが、実際は参拝していなかった。それが世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山」の労働者追悼式にまで影響を与えた。みっともない誤報である。

誤報もさることながら取材の仕方が実にみっともない。同社が11月30日に配信した「靖国参拝誤報 共同通信検証」によれば、靖国神社の3カ所の入り口で「開門の午前6時から夕方以降の閉門までの(国会議員の)出入りをカバーするため、別の報道機関数社と分担して取材している」そうだ。

取材とは聞こえはいいが、要するにつるんで監視しているのだ。「〇〇が入ったぞ」「こっちは××が来たぞ」。そんな情報をラインでやりとりしていた。

まるで盗み見の情報交換。それを誰かに知らせる。これを世間ではチクるという。今に始まった話でなく恒例というから「反靖国協定」でも結んでいるのか。

終戦直後、GHQ(連合国軍総司令部)には靖国神社を国家神道の根元と見なし焼却しようとする動きがあったが、駐日ローマ教皇庁代表のビッテル神父が「いかなる国家も、その国家のために死んだ人々に対して敬意を払う権利と義務がある」とマッカーサー元帥に進言し、焼失を免れた逸話がある。

それから80年近く経て日本人自身が靖国神社を貶(おとし)めている。ビッテル神父が聞けば何と言おうか。真(まこと)にみっともない話である。

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