先日のことだ。日本から来ている知人が「ラーメンが食べたい」と言うので、サンパウロ市内のラーメン店巡りをやってみた。
海外でのラーメンが高いのは世界各国共通。良心的な価格で日本食を提供する「ブラジルすき家」は例外として、ブラジルでもラーメン1杯が2000円近くするのは仕方のないことだ。
2人でラーメン2杯にチャーハン、サラダ、ドリンクなどを頼めば、7000円を軽く超える。それでも行列ができているラーメン店も珍しくない。ラーメン以外の日本食も人気が高く、寿司(すし)にカレーやオムライスに日本風のケーキや菓子パンなど、食べられない日本食の方が珍しい。
東洋人街(日本人街)やビジネス街、歓楽街など、改めてラーメン店を回ってみて驚いたのが種類の多さだ。醤油(しょうゆ)ラーメンに味噌(みそ)、豚骨などの専門店に加え、日本でラーメン作りの修行に行ってきたというオーナーも少なくない。のれん分けというわけだ。
さて、味の方だが、筆者の個人的な感想としては決して悪くない。ただし、「海外で食べるラーメンとしては」という前提付きだ。麺のコシや歯応え、スープ、チャーシューの出来など、日本のラーメン専門店と比べるのは無理がある。実際、日本帰国時に食べるラーメンは感動物だ。
ラーメン好きの筆者だが、最近はブラジルへの家族や知人のお土産に日本のスーパーで簡単に手に入る「棒ラーメン」が定番となっている。袋入りラーメンは何よりスーツケースの場所を取る。味も悪くない。棒ラーメン侮るなかれだ。海外に旅行に出られる方、梅干しと一緒に、スーツケースの片隅に棒ラーメンを忍ばせてみてはいかがだろうか。民泊など調理ができる場所で活躍するはずだ。(S)