トップコラム【上昇気流】江戸川区の小松菜

【上昇気流】江戸川区の小松菜

小松菜

美食家たちの求める食材は肉や魚介類とは限らない。東京都江戸川区でのスター的食材は何といっても小松菜だ。全国有数の産地で、多様な品種が栽培され、それを食べ比べる「利き小松菜」という言葉もある。

ここは小松菜の発祥地。小松川村(現江戸川区)にやって来た江戸幕府8代将軍の徳川吉宗が昼食時、献上されたすまし汁をおいしいと喜んだ。入っていた菜に名がないことを知ると、将軍は地名から小松菜と名付けたという。

小松菜はアブラナ科の冬が旬の野菜。区内には直売所が4軒あり、これを使った料理やお菓子などが開発され、商品81種類、店舗49店に及ぶ。そして今「小松菜グルメスタンプラリー」が開催中だ。

区内の飲食店や直売所を巡るラリーで、ガイドブック「小松菜力。」に店舗の場所やメニューが紹介されている。商品には「小松菜最中」「将軍小松菜パスタ」「小松菜シフォン」など多種多様。

子供たちにも人気があり、小学校や中学校では給食に使われている。15校に届けているという農家の担当量は、1カ月で2㌧から2㌧半もある。ここに来て初めて知ったのは、生でもおいしく食べられること。早めに収穫したものを使うという。これはいける。

来年1月18日、江戸川小松菜の祭典「第11回小松菜まつり2025」がアリオ葛西1階ウェストコート(東葛西9の3の3)で開かれる。平凡な、ありきたりの食材だと思っていたが、ここでは名優のように演じている。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »