トップコラム車椅子の英雄 イスラエルから

車椅子の英雄 イスラエルから

今年フランスで開催されたパリ2024パラリンピックで、競泳に出場したイスラエルのアミ・ダダオン選手は、男子100㍍自由形(運動機能障害S4)などで二つの金メダルを含め合計四つのメダルを獲得した。東京パラリンピックの金メダリストでもある。

脳性麻痺(まひ)による運動障害を持つダダオン氏は、6歳で初めて水泳プールに入った。子供の頃は、歩き方や話し方、泳ぎ方をからかわれたそうだ。夜、神に「なぜ普通の人生を与えてくれなかったのか」と泣き叫んだこともあったという。「少年時代はつらい思いをしたが、スポーツを通して自分の価値観を表現し、人々を助ける方法があることに気付いた」とメディアで語った。

最初の金メダルを取った時、大スクリーンに映った自分の顔を見上げて、「これで終わりだ。ちょっと待って、願わくば、今リハビリ中の人がこれを見てくれるといいな」と思ったという。表彰式では、イスラエルの国歌が演奏されると同時に、涙があふれ出し、今の瞬間に最善を尽くすことが自分の使命だと悟った。そして、指導してくれたコーチに一番感謝したそうだ。

この車椅子の金メダリストの姿を通し、多くの負傷兵たちが勇気づけられた。テルアビブのリハビリセンターでは、誰もが立ち止まり、「おめでとう、君は英雄だ」と声が掛かる。彼も「あなたたちこそ英雄だ」と敬意を表す。

障害者退役軍人協会のエダン・クレイマン会長は、金メダルだけでなく、自分自身を愛するための長い旅が、彼を英雄にしたと語る。彼は自分が誰であるかに気付いたのだ。(M)

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