国連教育科学文化機関(ユネスコ)が5日、泡盛や日本酒、焼酎などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。12月上旬には正式に決定される見通しだという。これらの動きを受け、県内では「泡盛」に注目が集まっている。
県酒造組合の佐久本学会長は、メディアの取材に対し、「先人たちが受け継いできてくれた泡盛が世界に評価されてうれしい。認知度向上につなげたい」と期待を語った。また玉城デニー知事は、「非常に良いことだ」と受け止めた上で、「泡盛を使ったカクテルなど、もっと需要が広がっていくと思う」などとコメントしている。
泡盛は、黒麹(こうじ)菌で作った米麹のみを原料に造られる沖縄の伝統的な蒸留酒。フルーティーな香りと濃厚なコク、スパイシーな風味が沖縄料理によく合う。甕(かめ)などを使って熟成させた「古酒」と呼ばれる泡盛も魅力の一つだ。アルコール度数は30度前後のものが多く、少し強めのお酒に分類される。
その歴史は古く、14世紀から15世紀ごろに現在のタイから琉球に伝わったとされている。琉球国時代、泡盛は大変貴重なものとされ、王府の徹底的な管理体制のもと、一部の限られた家のみが製造に携わってきたという。時がたち沖縄県が誕生すると、泡盛の製造が民間に解禁され庶民の間でも広く親しまれるようになった。
飲み方は日本酒同様、水割りやお湯割り、ロック、ストレートなどさまざま。泡盛初心者の場合、ソーダ割りにすることでクセが少なく飲みやすくなるのでおすすめだ。
また、泡盛は糖質や脂質がゼロで低カロリーであることから、他のお酒と比べて太りにくい点も一つの大きな魅力かもしれない。
(K)