イスラエルでは現在、日本食が市民権を得て、至る所で食べられている。寿司はイスラエルの誰もが知っている食べ物だ。
しょうゆや米酢、のりなどがどこのスーパーでも買える定番となり、ユダヤ人が家庭で巻き寿司を作るのも珍しくない。具はサツマイモやパプリカ、千切りニンジンなどだが。
ラーメン専門店も、口コミでじわじわと人気が広がり、好きな日本食はラーメンと答える人も増えた。ただ、ユダヤ人に猫舌が多いせいか、ぬるいものが出てくる。
先日、親しくしているユダヤ人の学生さんから、「兵役中の幼なじみが長い戦争で疲れ果て、何か日本食を食べさせ元気づけたいので作り方を教えてほしい」とリクエストが来た。ちなみに彼は日本語の生徒だ。おにぎりを作って持って行ったらいいと勧め、家に呼んだ。
来る途中、スーパーでツナ缶とのりを買ってもらい、米をとぐところから体験してもらった。具にするツナは、しょうゆと砂糖、しょうがで甘辛く煮詰めた。炊きたてのごはんを両手で三角になるように握るのが難しいようで四苦八苦していたが、ラップで包んで形を整えきれいにできていた。後で「幼なじみは、とてもおいしいと喜んで食べていた」とメッセージが入り、ほっとした。
以前、持ち寄りで友人たちが集まった時に、おにぎりを作ったことがある。ベジタリアンがいるので具には昆布のつくだ煮を入れた。海藻だよと教えたら、みんな喜んで食べていた。
おにぎりもいずれイスラエルのどこででも食べられる定番になるだろう。(M)