Homeコラム【上昇気流】台湾が憂慮する日本の政局

【上昇気流】台湾が憂慮する日本の政局

台湾

総選挙で与党議席の過半数割れ。日本の政治の混乱が増す気配に、台湾のシンクタンク・国策研究院の郭育仁副院長は当地の座談会で「最大の勝者は習近平中国国家主席だ」と語っている(小紙10月29日付)。

郭氏はさらに、中国は外交政策を描けない日本を好むとし今後、日本の各党や派閥を「各個撃破していく」と。ズバリ日本攻略の核心を突いている。

中国の西側諸国への日常茶飯事のサイバー攻撃一つをとってみても、狙いは情報や技術の奪取だけでなく、その国の世論をかく乱し分断することにある。日本に対しても同様だが、それを台湾の人に指摘されたことは何ともつらい。

その台湾はこのところ民主主義というソフトパワーに自信を示している。2016年以降3期連続で政権を担うこととなった民進党の頼清徳総統は「双十節」の祝賀式典で「中華人民共和国(中国)に台湾を代表する権利はない」と、自由と民主主義が台湾の土地で育ったことを強調した。

武力による威嚇を強める中国は直後、台湾を包囲する軍事演習を行い、隙あらば武力行使に出るぞという意志を見せつけた。中台の緊張は続く。

故安倍晋三元首相は「台湾有事は日本有事。すなわち日米同盟の有事でもある。この認識を習主席は断じて見誤るべきではない」と。日本国民の課題は、中国の武力行使には断固反対という強い世論をつくることだ。米軍の後方支援の準備も忘れてならない。政情不安は大敵だ。

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