
カトリック教徒が多いフィリピンでは、11月1日から始まるウンダス(万聖節)が、故人を追悼する特別な期間として浸透している。日本のお盆にも似たこの文化行事は、多くの家庭にとって先祖をしのぶ重要な意味を持つ。
フィリピンの墓参りは滞在型で、家族や親族が墓の前で一堂に会し食事や会話を楽しみながら長い時間を過ごすのが一般的だ。以前はカラオケやお酒を持ち込んで大騒ぎする集団もいたが、最近は音響機器やアルコール類の持ち込みは厳しく禁止されている。
墓地内には長い時間を過ごすのに困らないよう、ハンバーガーや子供向けのカラーヒヨコを売る屋台も出店するなど、さながら日本の夏祭りのような雰囲気もある。厳かでありながら南国独特の活気もあって興味深い。
夜通し滞在する家族も多く、墓前にともされたロウソクが揺らめく光景は幻想的だ。マニラ首都圏にも大きな墓地が幾つかあるので、フィリピンの文化を知るためにのぞいてみるのもお勧めだ。
墓地はホームレスが住み着いていたりとあまり治安のいい場所ではないが、ウンダスの期間中は入り口に検問が設置され多くの警官が巡回するので、人混みでのスリなどに注意すれば比較的安全だ。
またウンダスの直前にはハロウィーンも盛大に祝われる。ショッピングモールや職場などでイベントも行われ、仮装した子供たちが地域を練り歩く古き良き風物詩が今も続いている。(F)






