
5カ月ぶりに石川県七尾市の知人を訪ねた。能登半島地震で同市では5200棟以上の住宅が全半壊した。古い民家が建ち並ぶ旧市街は、特に被害が大きかったが、そこに住んでいる知人の家は準半壊で、何とか修理して住み続けるという。
しかしその周りの家は、ほとんどが半壊。今回行ってみると、きれいに更地になっていた。地震前の街並みを知る者としては、何か信じられないような光景である。
町内会長を務めていた彼は「隣は平屋の家を建てて住むようだが、ほかの家は、前から空き家になっていたり、資力のない年寄りが多いから、更地のままじゃないか」と語っていた。
七尾から能登半島の幹線道路、国道249号を久しぶりに走って、能登町の鵜川(うかわ)という町を訪ねた。ここも大きな被害を受け、中心部が更地になっていた。途中、何台もの大型ダンプカーとすれ違った。公費解体で出た瓦礫(がれき)を運んでいるのだ。
鵜川は海沿いの田舎町だが、小さいながらもかつては呉服屋や書店があった。大正や昭和の頃、ある程度の人口のあった頃は商売も成り立ったが、人口減少の中だんだん廃れていった。それに地震が追い打ちをかけた形だ。
農村や漁村に比べ、一定の人口を基盤に成り立ってきた田舎の商店街の再建は、実に難しい。跡に生まれた更地を真っ白なカンヴァスに見立て、未来の絵を描ければいいのだが、住んでいた高齢者には酷な話である。描けるのはやはり若い人たちだろう。






