トップコラム【上昇気流】読書週間を迎えて

【上昇気流】読書週間を迎えて

明日27日から読書週間(11月9日まで)。「読書の秋」は「食欲の秋」と共によく知られた言葉である。食欲の場合は、作物や果物が実る季節なので不思議ではない。だが読書の場合は、事情がちょっと違っている。

読書週間は、戦後の荒廃した国土の中で国民の精神的な復興を目指して「出版社・取次会社・書店と公共図書館、そして新聞・放送のマスコミ機関」も加わって「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という目的で定められたものである(読書推進運動協議会のHP)。

気候的にも、秋は本を読むのにふさわしいということもあっただろう。室内以外で読書するとしても、秋は涼しく湿度も高くはない。散歩した後に公園のベンチなどで本を読むにも適している。

しかし、今は選択肢が紙の本だけではなくなった。電子書籍の登場とともに読書スタイルにも大きな変化が生じている。電子書籍のメリットとしてはスペースを取らないことがある。スマホの画面では読みにくいと思ったが、慣れてくるとそれも気にならない。

ところで、78回目を迎えた今年の読書週間の標語は「この一行に逢いにきた」。一行の重みを感じるには、アナログな紙の書籍を読んだ方がいい。

読むスピードということでは電子書籍に軍配が上がるが、文章の持つエネルギーや訴求力は紙の方が読者に伝わりやすい。その点を考えれば、読書の秋には雰囲気を楽しみつつ紙の本のページをめくって読みたい。

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