トップコラム【上昇気流】奥能登・人口流出への懸念

【上昇気流】奥能登・人口流出への懸念

地震で焼失した朝市通り周辺の様子を見詰める人=6月30日午前、石川県輪島市

能登半島北部を記録的な豪雨が襲ってから1カ月が経過した。いまだに400人余りが避難生活を送っている。用地不足で応急仮設住宅の建設が遅れているのだ。

元日の地震後、仮設住宅の建設に時間を要したのも、平野の少ない地形が影響した。しかし一方で、奥能登の山がちの地形は、自然の豊かさや独特の景観、海山の幸を生かした文化を育んだ。

能登地方でも輪島市、珠洲市、能登町は移住者が他地域と比べて多い地域だ。不便な面もあるが、珠洲市などは都会的なものがないところが却(かえ)って魅力になっている。

輪島市は奥能登にあっても、朝市観光や輪島塗で賑(にぎ)やかな市だ。それはそれで若い人や移住者が仕事を得て、活躍できる舞台を提供している。だが、地震と豪雨被害のダメージは大きい。焼け野原となった朝市通り、輪島塗の工房、使えなくなった漁港の復旧・再建など、相当の時間を要するとみられる。

それでも、輪島は必ず復興するだろう。気になるのは復旧の遅れによる人口の流出だ。読売新聞(21日付)によると、輪島では9校あった小学校を3校に再編する案が検討されている。復興の柱となる子育て世代の流出に繋(つな)がらないか心配だ。

もともと能登地方は高齢化率が45%を超えている。そこを地震と豪雨が襲った。住み慣れた土地から出て行くのは簡単だが、新しく住み着くのは容易ではない。人口流出を防ぎ、かつ移住者を呼び込むために、まずは復旧を急がねばならない。

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