トップコラム痛い消費税引き上げ フィンランドから

痛い消費税引き上げ フィンランドから

フィンランド政府が先月の初め、緊縮政策の一環として、付加価値税、いわゆる日本でいうところの消費税を24%から25・5%に引き上げた。2001年ごろは22%だったが、13年には24%に上がり、今回はさらなる上昇だ。

コロナ禍対策やロシアの軍事侵攻による経済成長の鈍化などで増大した債務のために、フィンランドはユーロ圏の過剰赤字是正手続きの対象になる可能性があり、政府としてはそのような事態を何としても避けたい。1993年に発効したマーストリヒト条約で、財政赤字をGDP(国内総生産)比3%以内、債務残高をGDP比60%以内にすると定められている。フィンランドはすでに債務残高のGDP比が70%を超えているのだ。

フィンランドは北欧諸国の中で唯一ユーロを採用しているが、それでも他の北欧諸国と同様に物価は高い。社会福祉国家として維持するには仕方のないことかもしれないが、世論調査によれば多くの人はさらなる緊縮政策に動揺している。ただ、日常食料品やレストランでの食事に対する税率は14%に据え置かれ、医薬品、宿泊施設、書籍、文化イベントに対する税率も10%のままなのは助かる。

しかし、子供たちをはじめ、フィンランド人が好きなチョコレート、キャンディーなどの糖分の多い食品は、14%から25・5%と大幅に引き上げられ、ソフトドリンク等も税率が引き上げられる予定だ。ロシアとの国境が開かれていた時には、ロシアに出掛けて買い物をする人たちがいたが、今後は隣国であるスウェーデンやエストニアに行って買い物する人たちがますます増えるだろう。(Y)

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