沖縄に伝わる「はごろも伝説」

余呉湖畔にある天女像(Wikipediaより)

沖縄には古くから「天女のはごろも伝説」があることをご存じだろうか。

昔々、奥間大親という人物が家への帰り道で、「森の川」(宜野湾市の森川公園内にある湧き水)に立ち寄ると、水浴びをしている美女がいた。物陰から様子をうかがっていると、近くの木に羽衣がかかっているのを見つけ、その羽衣を隠してから、女の前に姿を見せた。

羽衣がなくなっていることに気づいた女は、奥間に自身が天女であることと、羽衣が見つからなければ天に昇れないことを伝えた。それを聞いた奥間は「私が探してあげるから、それまで私の家に泊まるがよい」と提案し、共に暮らし始めることに。

月日が流れ二人の間には一男一女が生まれた。ある日、女の子が倉の奥深くで偶然羽衣を発見したことを知った母親(天女)は、羽衣を身に着け、空高く舞い上がり、夫や子供たちとの別れを悲しみつつも、自身のルーツである天へと帰っていったという。

ここまでだけを見ると、奥間の身勝手な行動が目立つストーリーにも思えるが、最後は天女の息子が国王となり国を治めるハッピーエンドとなっている。

この伝説をモチーフにした「宜野湾はごろも祭り」が毎年同市で開かれている。47回目を迎えた今年は、9月28、29日の両日、ぎのわん海浜公園で行われた。

この祭り最大の見どころは、数千人の老若男女が出演する「飛衣羽衣(とびんすはにんす)カチャーシー大会」だ。カチャーシーとは「かき混ぜる」という意味の沖縄の伝統的な手踊りで、祭りや祝い事の席で喜びを分かち合う時に必ずと言っていいほど踊られる。

はごろも伝説の壮大な物語に思いを馳(は)せながらカチャーシーを楽しんで見るのはいかがだろうか。

(K)

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