【上昇気流】10月は食品ロス削減月間

野菜の捨てちゃうところ

10月は「食品ロス削減月間」である。令和元年の10月1日に施行された「食品ロス削減推進法」で定められた。食品ロスへの認識は、少しずつ浸透しているように見える一方、まだまだという感じもする。

日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品の量は、令和4年度推計で472万㌧に上る。うち事業系が236万㌧、家庭系も236万㌧。国民1人当たり、おにぎり1個分に近い約103㌘を毎日捨てていることになる。

素朴にもったいないというだけではない。日本の食料自給率は38%、それ以外は海外からの輸入だ。世界の9人に1人が栄養不足に陥る中で、その分を回せたらとも思う。水分を含んだ生ごみの処理は、エネルギーを要し、環境に負荷をかけ、自治体の経費を膨らませる。いいことは何もない。

削減の啓発運動の一つに「手前どり」がある。スーパーやコンビニでは、牛乳など数日保存する食品の場合、棚の奥の少しでも賞味期限が先のものを購入する人が少なくない。そうせず、手前に置かれた賞味期限の近い商品を購入しましょうというものだ。

それは店の都合、と冷ややかに受け止める消費者もいるだろう。そんな受け取りをされないためには、店の側が賞味期限の近いものを早めに値引きすべきだろう。いろいろ工夫の余地はある。

昔は家庭でも「お百姓さんが苦労して作ったお米、残らず食べるように」と子供に話していた。そんな茶の間の教育が意外と重要なのかもしれない。

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